ケリー基準とは、賭けで自分の資産の何割を掛けるべきかを算出する方法です。
例えば、五分五分の確率で、勝てば掛け金が2倍、負ければ半分になる賭けであれば、自分の資金の1/4ずつをかけていくのがベストということを算出できます。
【掛けるべき資産の割合=その賭けの期待値/最大リターン】
です。
ケリー基準とは
ケリー基準はあのバフェットが利用
投資を知っている人なら知らない人はいないあの投資の神様バフェットが利用しているそうです。ただ、ソースが見つからなかったので、正確にはバフェットが行っている投資手法がケリー基準に則っているといった方が正しいかもしれません。
ケリー基準を使えばいくら投資すべきかが分かる
ケリー基準を用いることによって、いくら投資すべきかが分かります。
有利な賭けにいくら賭ける?
例えば、五分五分の確率で、勝てば掛け金が3倍、負ければ全没収になる賭けがあったとしましょう。この賭けには何回でも挑戦できます。超有利な賭けですね。
そして、あなたは1万円をもっているとします。これをこの賭けで最速で10万円にしたい。この場合、自分のお金の何%ずつお金をかければ、この賭けで最速でお金を増やすことが出来るのでしょうか?
100%賭けたら
100%賭けて負けたら次がありません。リスクが高すぎるでしょう。
90%賭けたら
90%ずつだったらどうでしょう。
一回目に勝てれば、10+90*3=280%。一回で1万円が2.8万円に化けます。さらに二回目も勝てれば、2.8万*0.1+2.8万*0.9*3=7.84万
目標の10万円まであと一回勝てたら届いちゃいますね。
しかし、一回目に負けたら、10+0=10%しか残りません。1回で1万円が1000円になりました。
1回目にもし負けたら次増やすのが大変です。90%でもまだまだリスクが高そうです
10%賭けたら
10%ならどうでしょうか。
一回目勝ったら110%になります。2回目勝ったら121%になります。3回目勝ったら133%になります。4回目勝ったら…って10万円(=1000%)になるにはかなり時間がかかりそうです。負けてもダメージは低いですが、リターンが低すぎるので、もっとたくさんかけても良さそうですね。
最速で(少ない賭け数で)お金を増やすことが出来る割合をケリーが教えてくれる
一体何割ずつかけるのが良いのでしょう。ここで、ケリーの出番です。
最速でお金を増やせる投資割合=期待値/最大リターン
で求められます。
最大リターンは200%(賭け金が3倍になるので、リターンは(3倍-賭け金)=2倍)、期待値は50%(200%*50%-100%*50%)ですので、
50/200=0.25
資金の25%ずつ賭けていくのが最速でお金を増やせるという結果を得ます。
先の例でいうと。1万円あるうちの2500円を1回目はかけて、勝ったら17500円になるので、その25%の4375円を今度は賭けて…というように賭けていくのが最速で1万を10万に増やせる投資の仕方だということです。
FXにケリー基準を適用
シストレ24のストラテジーでケリー基準を検証
さて、本題です。FXにケリー基準を適用してみます。
例えば、こちらのストラテジーにケリー基準を適用することを考えます。
このストラテジーを運用する場合、いったい取引額を資金の何割に設定するのが最速でお金を増やせることになるのでしょうか?
画面から必要な情報を取り出しますと、
勝 平均207.5pips =+20750円
負 平均128.98pips=-12898円
10k=1万通貨=140万円=証拠金5.6万円
リターン額/賭金からリターン率が求まります。
勝った時 +20750/56000=+37%
負けた時 -12898/56000=-23%
勝つ確率 43.74%
負ける確率 56.26%
これらの 条件から、
期待値=37%*43.74%+(-23%+56.26%)=+3%
最大リターン+37%
これをケリーの式に突っ込んで、
3/37=9%
となります。
資金の9%が賭け金になるように設定するのが良いようです。
もし100万円持っているなら、そのうちの9万円でこの取引を行うようにすればいいのですね。
証拠金ベースで9万円なので、9万円*25=225万円
225万円/140円=16k通貨
100万なら16kでこのストラテジーを稼働させるのが良いという結論です。
ケリー基準の公式の計算は妥当か?
インヴァスト証券さんの推奨証拠金と比較して最大リスクを取った時の賭け金と比較
インヴァスト証券さんが少なくともこれくらいは証拠金入れたほうが良いよと言っているラインが278000/10kです
ということは、逆に100万あったら、
(100万/27.8万)*10k=35.9k
35.9k賭けられます。
これをリスクマックス取ってるとすると(少なくともこれくらいは証拠金入れてね、というギリギリのラインで計算したのでかなりリスクを取っています)、16kは結構リスクを抑えているように見えますね。
リスクをほぼ回避した場合(最大DD+証拠金)の賭け金と比較
最大DDが5686.80pips=57万円
必要証拠金が、このストラテジーはポジションを4つ取るので、5.6*4=22.4万円
57万+22.4万=79.4万円で10賭けられます。
100万円だと
10k/79.4万*100万=12.6k
12.6kで運用すれば、最大DDがきても耐えうるということになります
これはかなり保守的な数字です。なにせ、ストラテジー稼働以来の最大DDが来ることを想定してますからね。
これらを合わせますと、リスクをかなりとっている35.9kと、リスクをあまりとっていない場合の12.6kの間にちょうどうまく16kは収まっているので、信頼していいのではないかと思います。
ケリー基準を使って実際に自分が運用するフルオートで運用するべきロットサイズを計算してみた
エクセルによる計算
自分が運用するフルオートは先のTidalWave(GBP/YEN)とTidalWave(GBP/USD)が稼働されるような設定になっています。
この2つのストラテジーの成績をシストレ24でダウンロードし、エクセルで平均利益と勝率を算出し(ざっくりです)、ケリーの公式に突っ込みました。
その結果です。
賭けるべき資金割合は11%
100万円運用するなら、11万円ですね。
11万円*25(レバレッジ)=275万円
275万円/140円(ポン円レート)=19.6k
100万円なら19.6kで運用するのが良いという結論です。
検証:最大DD+必要証拠金
自分のフルオートの累計損益の過去シミュレーションがこのグラフです。
このグラフから最大DDは30万程度/10kと見積もります。
必要証拠金は22.4万円/10kです。
よって、最大DD+必要証拠金=52.4万円/10k
100万円あったとすると、
20k以下で賭ければよいという計算になります。
ケリーの公式から求まる19.6kという値はそれと同等であり、妥当な値ではないかと思います。
自分も今同様のロットサイズで運用しているので、ケリーの公式でこのロットサイズの妥当性を裏付けられて嬉しいですね。
ケリー基準のまとめ
ケリー基準=期待値/最大リターンです。
ケリー基準を用いることで、その賭けに自分のお金の何割ずつかければ最速でお金が増えていくのかが分かります。
ケリー基準はFXにも応用可能で、特に資金管理が最重要のシステムトレードと相性がよいです
シストレを行っている人はケリー基準で自分のロットサイズが妥当なのか=最速でお金が増えるようなロットサイズなのか、検証してみてもいいかと思います
たけはシストレ24を運用しています
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